大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問77 (政治・経済(第2問) 問5)

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問題

大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問77(政治・経済(第2問) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)

統治作用を担う団体に関心をもつ生徒Xと市民社会を構成する団体・集団に関心をもつ生徒Yは、さまざまな団体集団の働きについてそれぞれ調べてみることにした。これに関して、後の問いに答えよ。

宗教団体に関心をもった生徒Yは、日本国憲法における宗教に関する規定について調べた。信教の自由や政教分離の原則に関する次の記述ア〜ウのうち、正しいものはどれか。当てはまるものをすべて選び、その組合せとして最も適当なものを、後のうちから一つ選べ。

ア  宗教団体などを結成する宗教的結社の自由は、憲法が保障する信教の自由に含まれる。
イ  一定の要件を満たした宗教団体には、国から特権を受けたり政治上の権力を行使したりすることが憲法上認められている。
ウ  国および地方公共団体は、宗教教育をはじめとして、いかなる宗教的活動も行ってはならない。
  • アとイ
  • アとウ
  • イとウ
  • アとイとウ

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この過去問の解説 (2件)

01

信教の自由と政教分離に関する問題です。

選択肢1. ア

適切な選択肢ではありません。

選択肢2. イ

適切な選択肢ではありません。

選択肢3. ウ

適切な選択肢ではありません。

選択肢4. アとイ

適切な選択肢ではありません。

選択肢5. アとウ

ア適切。憲法20条1項にあります。

イ誤り。憲法20条1項後段に「国から特権を受けたり政治上の権力を行使」することは認められていない旨が記載されています。

ウ適切。憲法20条3項「政教分離」の項目です。

 

選択肢6. イとウ

適切な選択肢ではありません。

選択肢7. アとイとウ

適切な選択肢ではありません。

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02

【ポイント】

信教の自由は、信仰の自由宗教的行為の自由宗教的結社の自由が挙げられます。

また、ここでは憲法第20条のおさらいをしておきます。この問題はこれだけで十分でしょう。

日本国憲法第20条第1項

「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」

政教分離の原則も含め、ここまでをしっかり把握しておけば、アとウが入った選択肢が適切であると素早く導くことが出来ます。

まとめ

信教の自由や政教分離の原則に関する事例には、津地鎮祭訴訟愛媛玉ぐし料訴訟が挙げられます。

それぞれの争点やどのような判決が下ったか、復習しておくと良いと思います。

 

また政教分離の原則を考える際、目的効果基準というものがあることも忘れてはいけません。

目的効果基準とは、ある行為が宗教的な目的で行われていないか、特定の宗教に対して大きな利益・もしくは圧迫を及ぼしていないか、これらによって政教分離の原則に反していないかを判断するものです。

 

津地鎮祭訴訟は、地鎮祭は宗教的行事ではなく世俗的行事であること、神主に支払った費用は少額であることから、合憲という結果になりました。

愛媛玉ぐし料訴訟は、愛媛県知事が靖国神社の玉ぐし料を公費支出していたことから、訴訟へと発展しています。靖国神社は戦前の軍国主義の象徴であり、特定の宗教団体とも判断され、支払っている費用は少額ながらも政教分離に違反しているということで違憲判決になりました。

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