大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和6年度(2024年度)本試験
問24 (現代社会(第4問) 問4)
問題文
オダ:A国の開発計画は、借り入れた米ドルでどのように進んだのかな?
叔父:先進国のb エネルギーの消費増加予測に注目して、天然ガス開発プロジェクトを進めた。ところが各国でも資源開発が進んでエネルギー価格が
低迷して輸出額は伸びず、結局債務不履行に陥った。A国だけでは解決できず、最終的にc 国際機関、具体的にはIMFの支援を必要としたんだよ。
オダ:開発途上国で資源開発に依存したd 経済発展は難しいんだね。
下線部cに関連する記述として適当でないものを、次のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和6年度(2024年度)本試験 問24(現代社会(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
オダ:A国の開発計画は、借り入れた米ドルでどのように進んだのかな?
叔父:先進国のb エネルギーの消費増加予測に注目して、天然ガス開発プロジェクトを進めた。ところが各国でも資源開発が進んでエネルギー価格が
低迷して輸出額は伸びず、結局債務不履行に陥った。A国だけでは解決できず、最終的にc 国際機関、具体的にはIMFの支援を必要としたんだよ。
オダ:開発途上国で資源開発に依存したd 経済発展は難しいんだね。
下線部cに関連する記述として適当でないものを、次のうちから一つ選べ。
- 人間環境宣言で定められた目標を実現するために設立されたのは、国連環境計画(UNEP)である。
- 労働者の権利保護や労働条件・生活水準の改善に取り組んでいるのは、国際労働機関(ILO)である。
- 南北格差の是正には援助より貿易を重視すべきとの理念の下で、開発途上国の貿易の促進に取り組んでいるのは、経済協力開発機構(OECD)である。
- 難民の国際的保護や本国への自発的な帰還を主たる目的とするのは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)である。
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この過去問の解説 (3件)
01
環境、人権、経済支援、難民・人道支援に関する国際機関について、
理解度を問われている問題です。
適当
人間環境宣言は、1972年国連人間環境会議で採択された、
国際会議で初めての環境保全に関する取り組みです。
適当
国際労働機関(ILO)は、1919年ヴェルサイユ条約に基づいて設立されました。
国連の専門機関の中で唯一、政府・労働者・使用者の三者構成となっています。
日本も加盟国であり、国内法(労働基準法、労働組合法など)にもILOの理念が反映されています。
適当でない
経済協力開発機構(OECD)ではなく、国連貿易開発会議(UNCTAD)についての説明です。
経済協力開発機構は、国際経済全般について協議する目的で設立された、
ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め38ヶ国の先進国が加盟する国際機関です。
日本は1964年に、原加盟国以外で初めて、また、非欧米諸国として初めて加盟しました。
適当
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、第二次世界大戦後、
依然として避難を余儀なくされていた100万人以上の人々を援助するために
設立されました。
国際機関について、設立の背景と目的を理解しておきましょう。
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02
国際的な経済支援のジレンマについて記述した、問題文です。ここで注意すべきなのは、正しい記述の選択肢ではなく誤っている記述の選択肢が正解ということです。
「国連環境計画(UNEP)」とは各国が次世代の生活の質を維持するために自らの生活の質を改善し、環境の保全に指導的役割を果たしてパートナーシップを奨励する国連の補助機関です。この補助期間は1972年に採択された「人間環境宣言」の内容実現のために設置されたので、正しい記述となります。
全ての男女に働く権利を促進かつ雇用機会を奨励し、社会的保護を高めて労働の諸問題の解決に寄与するための機関が「国際労働機関(ILO)」であり、正しい記述となります。
先進国同士が自由な意見交換・情報交換を交わし、経済成長、貿易自由化、途上国支援に貢献することを三大目的としているのがOECDです。「途上国支援」とありますが、「開発途上国の貿易の促進に取り組んでいる」のは国連貿易開発会議(UNCTAD)であり、誤った記述なので正解です。
「自己の意思に反して迫害されることのないよう難民を保護、擁護する」ために1950年に設立されたのがUNHCR。難民の権利の主張、自発的な本国帰還、第三者への再定住などを通して難民問題の長期的解決を図る機関であり、記述は正しい。
ここでポイントなのは国際的な機関(補助的な機関も含む)の意味や目的をきちんと理解できているかが、カギとなります。冒頭にも伝えましたが、誤った記述を探し出す問題なので慎重に回答することも重要になります。
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03
この問題では、国際機関がそれぞれどんな活動をしているかについての基本的な知識が問われています。
特に、国際連合に関係する機関や、先進国と途上国の関係を支える組織について理解しておくことがポイントです。
どの機関がどんな役割を持っているかをしっかり整理しておきましょう。
では、問題を見てみましょう。
この選択肢は、人間環境宣言とUNEP(国連環境計画)の関係について書かれています。
人間環境宣言(1972年のストックホルム会議)を受けて、環境問題に対応するために作られたのがUNEPです。
内容は正しいです。
この選択肢は、ILO(国際労働機関)について書かれています。
ILOは、労働者の権利を守ることや、労働条件・生活水準の改善を目指して活動している国際機関です。
ここでの説明も正しい内容になっています。
この選択肢は、OECD(経済協力開発機構)について書かれています。
OECDは主に先進国の経済発展や協力を目的とする機関であり、開発途上国の貿易促進を中心にしているわけではありません。
途上国支援に積極的な機関は、国際連合貿易開発会議(UNCTAD)などが該当します。
この選択肢は誤りです。
この選択肢は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)について書かれています。
UNHCRは、難民の国際的な保護や自発的な帰還の支援を目的とする国連の機関です。
内容は正しいです。
この問題では、国際機関ごとの役割を正確に区別できるかがポイントでした。
それぞれの組織がどんな活動をしているかを整理して覚えておくと、似た問題にも対応しやすくなります。
特に、OECDと開発途上国支援の関係については間違えやすいので注意しましょう。
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