大学入学共通テスト(公民) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問24 (<旧課程>現代社会(第4問) 問4)
問題文
アライさんの感想文の一部
最初に、裁判員裁判を傍聴した。裁判を見ながら、現代社会の授業でa刑事司法について学習したことを思い出した。証拠調べのときに、法廷で防犯カメラの映像が流れ、こういうところでも映像が用いられるのかと驚いた。
次に、法廷を移動して別の事件の判決言渡しを傍聴した。被告人が有罪判決を言い渡されるのを見て、改めてb刑罰を科せられることの重みを感じた。
先生は、「防犯カメラの問題点は、基本的人権の観点から整理することができますね」と話した。基本的人権に関する日本の最高裁判所の判断として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
大学入学共通テスト(公民)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問24(<旧課程>現代社会(第4問) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
アライさんの感想文の一部
最初に、裁判員裁判を傍聴した。裁判を見ながら、現代社会の授業でa刑事司法について学習したことを思い出した。証拠調べのときに、法廷で防犯カメラの映像が流れ、こういうところでも映像が用いられるのかと驚いた。
次に、法廷を移動して別の事件の判決言渡しを傍聴した。被告人が有罪判決を言い渡されるのを見て、改めてb刑罰を科せられることの重みを感じた。
先生は、「防犯カメラの問題点は、基本的人権の観点から整理することができますね」と話した。基本的人権に関する日本の最高裁判所の判断として最も適当なものを、次の回答選択肢のうちから一つ選べ。
- 一連の家永教科書訴訟において、最高裁判所は、教科書検定制度が違憲であるという判断を下した。
- チャタレー事件において、最高裁判所は、わいせつ文書の頒布を禁止した刑法の規定は、憲法に違反すると判断した。
- 『石に泳ぐ魚』事件において、最高裁判所は、小説の公表の差止めを認める判断を下した。
- 三菱樹脂訴訟において、最高裁判所は、憲法の規定が私人間に直接適用されると判断した。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
最高裁判決に関する問題です。
誤文です。
「教科書検定制度が違憲である」という判決は出たことがありません。
家永教科書訴訟は家永氏が作成した教科書が検定で不合格になったことに係る裁判です。
有名なので知っておきましょう。
誤文です。
「わいせつ文書の頒布を禁止した刑法の規定は、憲法に違反する」という判決は出たことがありません。
チャタレー事件は、洋書の日本語訳に不適切な表現があるとして起訴された事件です。
表現の自由について争いました。有名なので知っておきましょう。
正文です。
『石に泳ぐ魚』事件においては、プライバシー権を主張する側と表現の自由を主張する側で裁判となりました。
結果、著書のモデルとなった人物のプライバシー権や人格権を認め、出版停止となりました。
誤文です。全く逆の文章です。
憲法の規定は私人間(この場合企業と個人)に直接適用されるものではないと判決しました。
三菱樹脂訴訟は、学生時代の事情を隠したまま三菱樹脂に入社した学生が、のちにそれが元で解雇されたことを不当解雇だとして訴えた裁判です。
結果、憲法を根拠に争った学生は敗訴し、解雇の正当性が認められました。
憲法と最高裁の判決に関する知識問題は出る問題が決まっています。
また、違憲判決は数えられるほどしかありませんので、内容含めきっちり覚えましょう。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
02
憲法判例は問われるところが決まっていて、また違憲判決は2025年10月時点で戦後10数件程度しか出ていないので、そんなに簡単に出るものではありません。しっかり押さえておきましょう。
家永教科書訴訟は、判例の要旨の方をむしろ押さえておきましょう。違憲判決の出た裁判ではありません。
わいせつ文書の頒布を禁止した刑法の規定に対する違憲論は根強いのですが、違憲判決は未だ出ていません。
選択肢の通り。
三菱樹脂事件は憲法の関節適用について論じた判決です。
憲法判例は少しひねられても答えられるようにしっかり押さえておきましょう。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
この問題では以下のキーワードを押える必要があります。
家永教科書訴訟とは、日本史の教科書の内容に関して、教科書検定における合憲性について、教科書の執筆者の家永三郎が、検定処分について取り消しを求めた裁判になります。最高裁判所は最終的に教科書検定は合憲としました。
チャタレー事件とはD・H・ローレンスの小説『チャタレイ夫人の恋人』の翻訳者と出版社の社長が、最高裁判所において、わいせつ文書の頒布罪で有罪とされた表現の自由に関わる判決になります。
『石に泳ぐ魚』事件とは、小説『石に泳ぐ魚』においてモデルとなった人物のプライバシー侵害をめぐって裁判が行われ、最高裁判所はプライバシー権を認めました。
三菱樹脂訴訟とは、学生の入社試験において学生運動歴を隠していたとして、企業が雇用を拒否したことにおいて、思想の自由などについて争われましたが、最高裁判所は、憲法は私人間の契約には直接適用されないとしました。
不適切
家永教科書訴訟とは、日本史の教科書の内容に関して、教科書検定における合憲性について、教科書の執筆者の家永三郎が、検定処分について取り消しを求めた裁判になります。最高裁判所は最終的に教科書検定は合憲としました。
不適切
チャタレー事件とはD・H・ローレンスの小説『チャタレイ夫人の恋人』の翻訳者と出版社の社長が、最高裁判所において、わいせつ文書の頒布罪で有罪とされた表現の自由に関わる判決になります。
適切
『石に泳ぐ魚』事件とは、小説『石に泳ぐ魚』においてモデルとなった人物のプライバシー侵害をめぐって裁判が行われ、最高裁判所はプライバシー権を認めました。
不適切
三菱樹脂訴訟とは、学生の入社試験において学生運動歴を隠していたとして、企業が雇用を拒否したことにおいて、思想の自由などについて争われましたが、最高裁判所は、憲法は私人間の契約には直接適用されないとしました。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問23)へ
令和5年度(2023年度)本試験 問題一覧
次の問題(問25)へ