共通テスト(公民) 過去問
令和4年度(2022年度)追・再試験
問71 (<旧課程>政治・経済(第1問) 問8)

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問題

共通テスト(公民)試験 令和4年度(2022年度)追・再試験 問71(<旧課程>政治・経済(第1問) 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

生徒Xと生徒Yが通う学校で、大学教員による出張講義が開かれた。「地域的世界的な視点から政治の仕組みや動きをとらえたとき、それらはいかに変容してきたか」を扱ったものであり、XとYが「政治・経済」の授業で学習した内容も多く含まれていた。これに関連して、後の問いに答えよ。

α国の紛争は深刻化し、国際連合で安全保障理事会(安保理)会合が開催された。だが決議案はまだ採択されていない。ニュースを聴いた生徒Xと生徒Yは、当初の決議案とそれに対する安保理理事国の反応や意見を調べ、資料1、2のようにまとめた。数日後、資料3のような修正決議案が安保理で出された。そこで、XとYは資料1、2に3を加え、修正決議案に対し各理事国はどう反応し、修正決議案は採択されうるかどうか、考えた。ただし、各理事国は独立して判断するものとする。このとき、三つの資料を踏まえたXとYの分析として最も適当なものを、回答選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 修正決議案によってEが賛成に回っても、A、Bは反対する。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。
  • 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、N、Oは反対のままである。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。
  • 修正決議案によって賛成すると思われたK、L、Mが仮に保留の立場を維持しても、全常任理事国は賛成する。よって、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。
  • 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、G、Hは反対する。だが、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

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この過去問の解説 (3件)

01

国連安保理と紛争解決の決議案採択の仕組みは次のとおりです。

安保理・・・常任理事国(アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランス)と任期2年の非常任理事国10カ国で構成します。

決議案採択の仕組みは次の二つです。

1. 9カ国以上が賛成する

2. 常任理事国が拒否権を発動しないこと

 

これを踏まえ、修正決議はどうなるか考えます。

・A、B「決議を速やかに採択することが最重要」→修正決議案の「経済制裁」でも賛成すると思われます。

・C、D「経済的にダメージを与える策で進めるべき」→修正決議案の「経済制裁」により、保留から賛成に回ると思われます。

・E「武力に頼らないなら賛成に回る」→修正決議案は軍事的措置ではなく「経済制裁」なので賛成に回るでしょう。

→常任理事国の拒否権は発動されないと考えられます。

常任理事国5カ国は修正決議案に賛成するとも考えられます。

 

非常任理事国はどうでしょうか。

G、H「経済制裁にとどめるくらいなら反対に回る」→修正決議案は「経済制裁」なので反対するでしょう。

F、I、J、K、L、M「経済制裁を含め実行力のある決議を早急に採択しなければならない」→「実行力」の判断が国によって分かれそうなので賛成するか保留のままか、反対するかを確実に判断することはできません。

確実に賛成に回るとはいいきれません。

N、O「制裁措置には反対」→修正決議案も制裁措置があるため、反対のままでしょう。

 

以上のことから、確実な賛成は常任理事国5カ国、確実な反対は非常任理事国4カ国と判断できます。

選択肢1. 修正決議案によってEが賛成に回っても、A、Bは反対する。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。

不適当です。

修正決議案によってA、Bが反対するとは判断できません。

選択肢2. 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、N、Oは反対のままである。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。

不適当です。

F、I、J、K、L、Mの反応が確実に判断できないのですから「修正決議案は採択されないのではないか」という結論は出せないといえます。

選択肢3. 修正決議案によって賛成すると思われたK、L、Mが仮に保留の立場を維持しても、全常任理事国は賛成する。よって、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

不適当です。

常任理事国5カ国が賛成、非常任理事国4カ国が反対、非常任理事国3カ国がという条件を設定しました。

ところが、K、L、M以外のF、I、Jの非常任理事国が賛成したとしても、賛成は(5+3=)8カ国であり、「9カ国以上の賛成が必要」という採択の条件には届きません。

選択肢4. 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、G、Hは反対する。だが、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

正答です。

E、K、L、Mの4カ国が賛成に回るという条件を設定しているためです。

(常任理事国5カ国)+(非常任理事国4カ国)=9カ国の賛成が得られ、常任理事国が拒否権を発動しないのであれば、採択の条件は整います。

まとめ

正解の選択肢の「修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても」という条件がなぜ賛成に回るのかやや説得力を欠いており、消去法的には正答に辿り着けるかもしれませんが、少し悪問ぎみかな、と思ってしまいました。

ただし、常任理事国と非常任理事国の数や、国連安保理による紛争解決のための決議の採択条件は覚えておけば得点源になる知識なので拾っておきましょう。

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02

◆国際連合安全保障理事会(安保理)は、

常任5か国・非常任理事国10か国で構成されています。

 

決議案が採択されるためには、

常任理事国5か国の同意を含む9か国以上の賛成が必要です。

 

常任理事国は拒否権が認められており、

1か国でも拒否権を行使するとその決議案は否決されます。

 

 

◆当初の決議案から修正されたのは、

要求に従わない場合に、軍事的措置ではなく経済制裁を実施するという点です。

 

A、Bの意見は「…いまは決議を速やかに採択することが最重要だ。」なので、

修正決議案でもA、Bは賛成のままでしょう。
 

C、Dの意見は

「制裁はすべきだが、…。経済的にダメージを与える策で進めるべきだ。」なので、

修正決議案によってC、Dは賛成に回るでしょう。
 

Eの意見は「…。武力に頼らないなら賛成に回る。」なので、

修正決議案によってEは賛成に回るでしょう。
 

G、Hの意見は「…。経済制裁にとどめるくらいなら反対に回る。」なので、

修正決議案によってG、Hは反対に回るでしょう。
 

F、I、K、L、Mの意見は「…。少なくとも、

経済制裁を含め、実効力のある決議を、早急に採択しなければならない。」なので、

修正決議案によってF、I、K、L、Mは賛成に回る可能性が高いでしょう。
 

N、Oの意見は「制裁措置には反対だ。内容にかかわらず、…」なので、

修正決議案でもN、Oは反対のままでしょう。

 

 

つまり、

 

賛成…A、B、C、D、E、F、I、K、L、M
反対…G、H、N、O


となり、修正決議案は採択されうると分析できます。
 

選択肢1. 修正決議案によってEが賛成に回っても、A、Bは反対する。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。

不適当です。


「修正決議案によってEは賛成に回っても」は適切ですが、

「A、Bは反対する。」は不適切です。

 

修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、

修正決議案は採択されるのではないかと分析できます。
 

選択肢2. 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、N、Oは反対のままである。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。

不適当です。
 

「修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、N、Oは反対のままである。」

は適切です。

 

修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、

修正決議案は採択されるのではないかと分析できます。
 

選択肢3. 修正決議案によって賛成すると思われたK、L、Mが仮に保留の立場を維持しても、全常任理事国は賛成する。よって、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

不適当です。
 

「修正決議案によって賛成すると思われたK、L、Mが仮に保留の立場を維持しても、

全常任理事国は賛成する。」は適切です。

 

修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、

 

賛成…A、B、C、D、E、F、I
保留…K、L、M
反対…G、H、N、O

 

となり、修正決議案は採択されないのではないかと分析できます。
 

選択肢4. 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、G、Hは反対する。だが、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

適当です。
 

「修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、G、Hは反対する。」は、適切です。


「だが、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、

修正決議案は採択されるのではないか。」も、適切です。

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03

国連における安全保障理事会の理事会決議を題材とした問題です。

安全保障理事会の決議では、全常任理事国の賛成と理事会全体の多数決が必要です。

今回の議題では、停戦要求に応じない場合の措置について、軍事的制裁から経済制裁への修正決議が出されました。

これを踏まえて以下の選択肢を分析する必要があります。

選択肢1. 修正決議案によってEが賛成に回っても、A、Bは反対する。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。

修正決議によってEは賛成に回ることは確実です。これに対してA.Bは反対するとありますが、「今は速やかな採択が必要だ」とする両国は賛成するでしょう。

従って、不正解です。

選択肢2. 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、N、Oは反対のままである。修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されないのではないか。

修正決議によりEやK,L,Mが賛成に回った場合、N,Oが反対の場合でも もし常任理事国C,Dが賛成に回れば、常任理事国全て賛成し、参加15カ国中13カ国が賛成に回ることになり、修正決議案は採択される可能性があります。C,Dは「軍事的措置は逆効果で経済的措置を」支持する立場なのでその可能性は高いでしょう。

従って、不正解です。

選択肢3. 修正決議案によって賛成すると思われたK、L、Mが仮に保留の立場を維持しても、全常任理事国は賛成する。よって、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

仮に保留していたC,D及び反対していたEが賛成に回り、全常任理事国が賛成に回ったとしても、当初の決議では賛成だったG,Hは「経済制裁にとどまるくらいなら反対に回る」と明言しており、修正決議案には反対に回る確率が高いでしょう。その場合参加15カ国中賛成は8カ国になり、採択されるか否かは不透明になります。 

従って、不正解とします。

選択肢4. 修正決議案によってEやK、L、Mが賛成に回っても、G、Hは反対する。だが、修正決議案に対する他の理事国の反応も考えると、修正決議案は採択されるのではないか。

修正決議によりEやK,L,Mが賛成に回った場合は、G,Hが反対に回っても、もし常任理事国C,Dが賛成に回れば、常任理事国全て賛成し、参加15カ国中11カ国が賛成に回ることになり、修正決議案は採択される可能性があります。C,Dは「軍事的措置は逆効果で経済的措置を」支持する立場なのでその可能性は高いでしょう。

従って、正解です。

 

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